JAPANG Firm News(2026年4月号)
当社では、日本における戦略的人事・労務サポートに関する実務上有効な情報や、制度設計のヒントとなるトピックを、随時お届けしてまいります。
初回である今回は、2026年4月以降の制度改正情報も含め、企業運営や人材戦略に影響のあるテーマをピックアップし、実務的な観点から整理いたしました。日々の運用や制度設計の参考としてご活用いただけますと幸いです。
1. 食事補助の非課税枠(第三の賃上げ)
■ 結論(ポイント)
同じ金額を支給する場合でも、給与として支給するか、食事補助として支給するかによって、課税関係が大きく異なります。
■ 解説
2026年の税制改正により、会社が従業員に提供する食事について、従業員が食事代の50%以上を負担し、会社負担額が月7,500円以下であれば、その会社負担分は給与課税の対象とはなりません。この制度を活用することで、税金や社会保険料の負担を増やすことなく、従業員に提供する報酬価値を高めることが可能になります。
■ 具体例
例えば、会社が同じ7,500円を支給する場合でも、その支給方法によって取扱いが異なります。7,500円を手当として支給した場合は、所得税・住民税および社会保険料の対象となる給与として扱われます。一方で、同じ7,500円を食事補助として支給し、一定の条件を満たす場合には、給与課税の対象とならず、非課税の扱いとなります。このように、同じ会社負担額であっても、制度設計によって従業員にとっての受け取り方が大きく変わる点が重要です。
2. 企業型DC マッチング拠出の制限撤廃
■ 結論(ポイント)
会社の追加負担を増やすことなく、従業員が自らの意思でより多くの資産形成を行えるようになります。
■ 解説
2026年4月1日より、企業型確定拠出年金におけるマッチング拠出の制限が見直され、従来の「加入者掛金は事業主掛金の額を超えてはならない」という制限が撤廃されます。これにより、加入者は法定の拠出限度額の範囲内であれば、事業主掛金を上回る金額を拠出することが可能となります。
■ 具体例
例えば、会社が月額10,000円を拠出している場合、従来は従業員も最大10,000円までしか拠出できませんでした。しかし改正後は、制度の上限の範囲内であれば、20,000円や30,000円といった水準まで、従業員自身の判断で拠出額を引き上げることが可能となります。この改正により、企業は追加コストをかけることなく、福利厚生としての資産形成支援の選択肢を広げることができます。
3. 管理監督者の判断基準
■ 結論(ポイント)
管理監督者に該当するかどうかは、役職名ではなく、実態(権限・裁量・待遇)によって判断されます。
■ 解説
管理監督者は労働基準法上、労働時間や残業規制の適用除外となる特別な立場ですが、その該当性は肩書ではなく実態に基づいて判断されます。厚生労働省は、①経営への関与、権限と責任②労働時間の裁量、③賃金待遇の3つの観点から総合的に判断することを示しています。
■ 具体例
例えば、店長やマネージャーという役職であっても、採用や評価に関する権限がなく、勤務時間が厳格に管理されており、賃金水準も一般社員と大きく変わらない場合には、これらの要件を満たしていないと判断され、管理監督者とは認められない可能性があります。この場合、時間外労働に対する割増賃金の支払い義務が生じるため、企業にとって大きなリスクとなります。
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